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ミツバ岳から権現山、素晴らしいミツマタの花と香り △tanzawa report
ミツバ岳山頂、高さ2mほどのミツマタ

 前回は不動尻のミツマタを紹介しましたが、今回はミツバ岳のミツマタです。前の丹沢通信を読まれた Kさんが西丹沢ミツバ岳のミツマタをコースとともにご紹介下さいました。地図を見ても道がなく、インターネット で調べるとコースによっては迷うこともありそうです。少々ためらいましたがKさんからいろいろ励まされ 思い切って4月10日(日)に行きました。
 新松田からの西丹沢教室行き7:20の始発バスに乗車、乗客は十数人です。朝は曇っていましたが晴れてきました。 丹沢湖周辺は3種ほどの桜が満開です。浅瀬入口で下車します。直ぐに落合隧道、続いて荒井沢洞門、本村隧道と 通ります。ここまでのハイカーを数えたら6人でほっとしました。登山口の滝壺橋まで30分。小さいが綺麗な滝壺 と若木の間から高い滝が見えます。タクシーで来た女性グループもいました。
湖岸のソメイヨシノとしだれ桜 登山口近くでキブシ


 橋の西詰めに土留めの石垣があり、その端に階段があって山道に入ります。道はすぐにジグザグの急登になります。 踏み跡、テープの標識などしっかりあり、しかも私の前後にハイカーが見えますから地図に道が書かれていなくても 心配ありません。山道に入って7分後道が左右に分かれ、両方にテープの標識が見えます。右はやや下りなので、 迷わず登りの左の道を取りました。先行している方が休憩しているので追いつき聞きましたら2ケ月前に 来たときは右の道にはテープはなかったとのことです。
ミツバ岳山頂から下りにかけて満開のミツマタ

 道は乾いた土の急登です。所々に手のひらほどの面積で濡れているのが見られました。最初は何か分からなかった のですが、細い木の根が傷ついているのが見え、根の傷から漏れる水と分かりました。急坂で靴が滑れば、意図せずに 地表近くの根が傷むのです。ハイカーとしてこころ痛みますが。後のことですが権現山近くで、太い木に巻き付く 径5cm程の木が鋸で切られていました。これは巻き付かれる木を保護するためですが、切り口から2-3秒毎に水滴 が落ちています。相当の水量になりますが春になって植物の活動が活発になったことを感じます。
 ジグザグの尾根の急登が続きます。尾根の片側が杉林で反対側が雑木が続きましたがいつの間にか杉林が 見えなくなります。傾斜が少し緩やかになると、前方に黄色の帯が見えました。ミツマタの花です。登山口から 70分で一面にミツマタが広がるミツバ岳山頂です。これ程の群生、そして立派な株、見事に咲いた大きな花、 そしてやや甘い淡い香り、まことに素晴らしいミツマタ群です。写真に一端を紹介します。
 山頂では十人近くの人が感嘆の声を上げて木々の間を巡り、或いは腰を下ろして休んでいました。 富士を背景にミツマタを撮るつもりでしたが今日は残念ながら富士は雲の中でした。
 ここのミツマタの広がりは権現山への下り道にも広がっているのです。尾根の東側(右側)は雑木ですが西側の 檜・杉林の縁や中にミツマタが続いています。権現山への鞍部を過ぎるまでミツマタを楽しめます。
上:1本だけ見られたアセビの花

左:権現山の標識と三角点の石

 この山はまたアブラチャンの山でもあります。雑木に混じって多くの花が見られます。若芽の山肌は淡い微妙な 色斑の混わりですが、黄色の斑はアブラチャンです。
 権現山の手前で大きなアセビの木がありました。花をいっぱいにつけていました。後で気が着くとアセビは 1本だけ、他に遠目にマメザクラが2本程度でミツマタとアブラチャン以外は花木は少ないようです。
 権現山山頂の手前に2脚の台があり4人のグループと中年の夫婦が休んでいました。ここで昼食休憩。ご夫婦に 聞きますとバス停の浅瀬入口から権現山に直登されたそうです。(帰路のバスで、トンネルの脇に階段があって 権現山登山道の標識を窓から確認)
アブラチャンの多い山だった。左の写真は二本杉峠下の沢で撮影

 このご夫婦にこれからの予定を聞かれ、二本杉峠へと、山頂を指したら、此方ですよと左斜め後ろを指されました。 確かに木に小さな標識があります。ここまで登った方角が東北東と思っていたのですが最後は東やや南なのです。 二本杉峠への下山路は北方やや西に向かいますので錯覚しました。私のような錯覚者が少なくないと見えて、権現山の 山頂には「この先踏跡不明瞭、初心者の通行不向き」の県が建てた立派な標識があります。 「この先」とは尾根続きの東南東です。
崩壊個所から見えた中川温泉二本杉峠、屏風岩方向には 「踏跡不明瞭」と注記、千鳥橋の文字は下に落ちていた断片にある

 二本杉峠への下山路急坂で、最初は明るい雑木林ですが間もなく杉林の中です。山頂から約15分程で崩壊個所に なります。ここから中川温泉の町が見られました。更に20分で樹陰の二本杉峠。屏風岩方向には「踏跡不明瞭」と 書き添えてありました。この峠は地図では十字路で上ノ原への下山路の反対側は千鳥橋です。新しい標識には 千鳥橋への案内がありません。下に落ちていた古い標識の断片には千鳥橋が書かれていましたが。

 峠から下り道は山腹の道で南側斜面からの土石の崩落跡を踏んでいるような細い道です。ここから上ノ原登山口まで は新しい標識が沢山設けられています。登山口近くなると「上ノ原」が「細川橋」に変わりますが。
 二本杉峠から約40分で沢の上に出て沢に沿って下ります。真新しい堰堤の横を通ります。間もなく車道に出て、 神社の鳥居の脇を曲がって集落に入り細川橋のバス停に着きます。橋の傍に酒屋さんがあり、屋号も細川酒店、 ただしこちらの細川は掲げられている酒小売免許証を見ますとお名前でした。50分待ちのバスで新松田へ戻りました。
山腹は若芽の微妙な色むら木を使った建設中の鹿柵、杉に 巻いてある網は食害防止用か

 今回の山行で会った方々のお話を聞きますと、ベテランさんが多いようです。権現山でも休憩中に若い二人連れ が東側(初心者不向きの道)から登って休まずミツバ岳へ進みました。
 私が最初地図に道が書かれていないことを懸念したが、しっかりした踏み跡とテープの標識で全く問題ありません。 また、地図では二本杉−上ノ原間で複路があり細川沢よりの道に危険の印が書かれていますが、現場の分岐点では ロープでブロックされており危険路に入ることはありません。
 山の今は雑木の若芽が微妙な色彩を広げ私の好きな季節です。登り道の初期に丹沢湖が見られましたが葉が茂れば 視界の悪い登山路になるでしょう。豊富なミツマタ、アブラチャンに反して他の花木の少ない山です。
 鹿柵で囲った杉林は手入れが悪く荒れていました。鹿柵も下山路では梯子の横が潰れて道になっていました。 逆に木を使った鹿柵が建設中だったり、径50cmになるような立派な杉が混じる立派な美林も見られたりで、林業の 複雑な様相を見る思いです。
(終わり)

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