丹 沢 通 信  No.No.44  2002.10.29.
境隧道-山神峠-伊勢沢ノ頭-秦野峠からシダンゴ山へ
山神峠の先の尾根から冨士

昨年、玄倉−蕗平橋−山神峠−ユーシンを歩きましたが(No.35)、このとき山神峠で境隧道−山神峠−伊勢沢ノ頭の道と直交している様子を見て、何時かはこの道を歩きたいと思っておりました。10/27(日)家内と難路に挑みました。

まづ行程
新松田(7:30)-バス-玄倉(8:15-18)−境隧道(9:24)−山神峠(11:08)−伊勢沢ノ頭(12:15)−途中昼食休憩(12:42-13:15)−秦野峠(13:36)− 林道秦野峠(14:06)−シゴンダ山(15:15)−寄バス停(16:10)

前日の雨も上がって快晴です。丹沢湖に向かうバスから雲一つない富士がはっきりと見えます。丹沢はまだまだ緑で、うかつにも秋を忘れていたのですが、富士の1/4程の冠雪でいつの間にか冬に向かっていることを思い知らされまました。
バスは珍しく中学生の一団で賑わっていました。高松山登山口で下車しましたが、彼(女)等のハイキングも天候が良くて最高でしょう。玄倉から林道を歩いて最初のトンネルが境隧道です。トンネルを抜けると左手の沢側に頼り気ない細い道が山腹に見えます。これが山神峠への入り口です。

山腹の心細い道も桟道を一カ所越えると入り口から6分で隧道上の小さな尾根に出てしっかりした道に直交します。右手は行き止まりと思いますが私達は左手へ。ここからは苔むした石の階段、次いで細い丸太の杭と土留めの階段が続き、しっかりした道になります。但し急登が続きます。

痩せ尾根から広い尾根に出ますと道はまた心細くなります。尾根の北側に背の低い草むらあり、その中に道らしき裸土の筋が続きます。時々草は頭を越える高さになり、半ば朽ちた草をかき分けて歩くのはやっかいです。尾根の中央は杉林の下で下草もない地面ですが枝を付けた倒木が多く、こちらも歩きにくいのです。

右手すぐ下には林道が見え隠れしますが、後で地図を見ますと、境隧道の手間で見られた林道の続きかと思われます。

そのうち鹿柵に沿った不確かな道になります。繊維で出来た網を張ってあります。この柵網に沿って歩きますが、尾根の柵に沿った道と、柵から離れて山腹を下がるような道に別れます。両方の道は定かではなく、山神峠まで道標が全くないので尾根道を辿った方が無難と判断して尾根道を辿りましたが、これは失敗でした。

段々道がか細くなり登山道というよりは柵を作った時の作業の踏跡のようになり、しかも柵は尾根に従って直角に遮ります。ここで道を間違えたことに気づきました。尾根をそのまま下りますと鉄塔が見え、やがて見覚えのあるユーシンへの道が見えてきました。鉄塔から下りますと山神様の社の直上に出ました。先ほどの山腹を下がるように見えた道らしき跡が、山神峠から見ると正しい道だったのです。10-15分程回り道だったようです。

地図(昭文社エリアマップ丹沢2002年版)では「崩壊箇所あり→」の注意書きがありますが、ここは前に書いたように回り道をしたので実状は分かりません。

山神峠から伊勢沢ノ頭への道を登ります。すぐ道横に、百葉箱と思われる残骸が見られました。ここで気温観測をしていたのなら毎日通ったことになりますが。

急に西の視界が開け樹の間から富士が見えました。丹沢湖も見えます。(左上の写真)標高は腕時計の高度計で1000m程度と思われます。ここで歩きながら菓子パンを食べました。道は細い丸太で斜面の下側を土留めした道になり、広い尾根をジグザグに登ります。地図では「経路不明瞭」とありますが境隧道−山神峠より大部分ははっきりしております。しかしこの土留めの丸太もいずれ朽ちて分かりにくくなるのではないでしょうか。

道が分からなくなったとき、前方に中型の鹿が右やや下から左やや上に走りました。尾根のようです。近道で尾根に出ますと立派な山道になっています。 山神峠からここまでは杉林、檜林の下で下草も少なく道は心もとないのですが迷う恐れはありません。

この尾根道はこれまでと違って笹やカヤトが道にかぶさるように茂っております。道を緩急3回ほど登りますと三叉路で小さな標識に山神峠、雨山峠、秦野峠が矢印とともに書かれていました。山神峠から始めての標識です。やっと自分の位置が分かりほっとしました。三叉路から2分で伊勢沢ノ頭の標識と秦野への案内がありました。

秦野への道は樹林帯で片側、ときには両側に鉄条を張った鹿柵でに挟まれ、しかもカヤトをかき分けて進まなければなりません。昼食に適当な場所がないので坂道の真ん中に腰を下ろして弁当です。食事の終わり頃、背後から「ごめんなさい」と声を掛けられてびっくりしました。慌てて道を空けたら足早に下って行きました。境隧道からシダンゴ山下山まで、山中で人に会ったのはこの方だけです。

秦野峠は緩やかな傾斜地で直角に林道秦野峠へ進みます。峠から旧道への道があるはずですが確かめていません。林道秦野峠へは涸れた沢を横切り右岸から山腹を登って小さな尾根に出ます。尾根に出た所でブッツェへの分岐で小さな標識が架かっていました。尾根道は少し登ってから下りが続きます。最後は急坂で林道に降ります。

林道は舗装され幅も広く立派です。玄倉川沿いの林道、水無川沿いの林道、四十八瀬川の林道とは比べものになりません。林道の立派な標識や記念碑などはあるのですがシダンゴ山への案内標識が見あたらないのです。
峠で林道が三叉路になっているので地図を頼りに南方の道を進みましたらランニングの若い男性に会い、登山道を確かめました。この男性が境隧道以来会った人の二人目です。

林道から登山道に入りますと急登です。尾根に出ますとシダンゴ山、高松山、ダルマ沢経由田代、秦野峠の標識がありました。ここから更に上りの尾根道です。笹とカヤトが茂り歩きにくい道です。ダルマ沢の頭、八郎丸など三つのピークの昇降があって最後梯子で下りて林道にでます。これを横切って登れば間もなくシダンゴ山山頂になります。

シダンゴ山の山頂近くは腰高程のアセビが一面に植えられ山頂には最近建てられたと思われる新しい石の小さな祠と山の説明の碑があります。視界が開け南の駿河湾は伊豆半島、初島、真鶴半島、江ノ島、三浦半島まで見えます。背後はこれまで歩いた山稜が間近に見えます。ベンチもあってピクニック用の公園として整備されています。

山の名前の由来は石碑によると、箱根明神、尊仏山、この地を行き来した仙人の名シダゴン(梵語で修行により悟りを開いた人を意味する)からシダンゴに転じ、古来震旦郷と書いたとあります。山岳仏教から尊仏山などと比肩するのは山が低すぎて、ちょっと無理ではないかと思いますがよく分かりません。

下り道はピクニック用広く整備されています。杉林を越えると前方に長い塀があり、出入り口を開けると風景は一変して茶畑の中です。急斜面を舗装された農道が延びています。農道を下りますとペンション風の家や民宿が2軒ほど見え、中津川を渡るとバス停です。

バスの乗客は私達夫婦と男女各1名の4人です。バス停前のレストランで缶ビールを売っていました(レギュラー缶@300.)。バス停の先に自販機もありました。

境隧道から山神峠を経て伊勢沢ノ頭までは案内標識がなかったり、道がはっきりしなかったりで難路の分類でしたが歩きやすい道です。伊勢沢ノ頭からシダンゴ山までは視界も悪く、カヤトの茂る歩きにくい道でした。

部分的に色づいてはいますが紅葉はまだまだです。花はリンドウが咲き、色あせたトリカブトも見られました。

前半の標準時間は分かりませんが、伊勢沢ノ頭から林道秦野まで3時間かかり、食事時間を引いても標準時間を大幅に超えました。シダンゴ山からバス停までは標準時間よりかなり早くなっております。家族連れのピクニック時間でしょうか。
境隧道そばの桟道細い丸太の階段リンドウ

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