アルプス20092009.8.21-29. △top page
中央アルプスの峠を三つ越える

 今年も CVMのツアーでスイス・中央アルプスの峠を三つ越えるの旅をしてきました。  パーティは毎年の顔馴染みの6人です。

8月21日(金)
 チューリッヒ空港に降り列車で一泊目のルツェルンに行きます。
この町の旧市街の名勝の一つがカペル橋です。 川に沿ってストランが並び、道を隔てて川縁にテーブルが並べられ、すべて客で埋まっていました。
橋の両棟木の間の三角の部分にはスイス建国の由来の絵が描かれている 町中で見かける壁画と飾り
←ロイス川に架けられた屋根付き木造のカペル橋、火災で中央部が焼けたが すぐ募金が集まって修復された

8月22日(土)
 エンゲルベルグからマイリンゲンの行程です。 残念ながら霧雨とガスでした。
  
同行のOさん撮影
  ルツェルンから登山電車でエンゲルベルグへ、歩いてロープウェー乗り場へ、 展望が利かないので予定を変えてヨッホ峠に向かうロープウェーで途中駅へ、Trubsee湖畔を歩いてリフト乗り場からヨッホ 峠へ、ここから下りの牧草地をエンゲステンアルプ湖まで歩き、ポストバスでマイリンゲン手前でおりて Aareshuluchtの峡谷を通りマイリンゲンの町に入ります。
  

 インド人に好まれるルチトリス山と、周辺の山岳を含む景色の良いハイキング道の筈でしたが小雨とガスに視界が遮られ ました。左写真はロープウェー最初の乗り場前です。ガスに曇っています、
 ヨッホ峠からの下りで150頭の牛の群れに紛れてしまいました。十数人の牧童がそれぞれの牛を集めて移動する 場面に遭遇したのです。バラバラになった私たちの間を牛は静かに歩いてゆきました。滅多にない経験でした。
 Aareshuluchtの峡谷は両側絶壁の狭い谷です。遊歩道になっていて有料です。 水面近くに霧が棚引いています。桟道の床材は 板を木目が進行方向と直角に敷かれ、しかも砂で磨いているようで滑るような藻などは掃除されています。 川側の手摺も高く設けられ、仮に転んでも危険は全くありません。谷の対岸は鉄道のトンネルが歩道と平行して 設けられています。渓谷を出てしばらくすると列車がトンネルから出てきました。
 写真右は渓谷の出口にあるレストラン・売店の玄関です。
  
 ↑マイリンゲン郊外の家
 シャーロックホームズの像→

 峡谷を出て橋を渡り少し行くとマイリンゲンの郊外です。広い庭を持った新しそうな家々が散在し、 それが家並みを作って町につながります。リンゴの木が多く見られましたが摘果するでもなく 沢山の小さな赤い実をつけていました。
 マイリンゲンは小説のシャーロックホームズが悪漢に滝に落とされる舞台でもあります。 銅像の背後にある教会は観光で訪れる英国人が多いので、英国人のために 英国人によって140年前に建てられた英国教会です。その後火災からの復旧、英国女王の訪問など 英国と深い関係があります。コナンドイルはこのような背景から小説の舞台に選んだのでしょう。 19年前に教会の地下にシャーロックホームズ博物館が建設されています。

 泡立てた卵白の菓子用食材のメレンゲはこの町で昔つくられました。店の軒先に吊して売っておりますし、 ホテルで食べたアイスクリームにも使われていました。


8月23日(日)
 トリフト氷河の吊り橋を見てからウエンゲンに移動です。   
 この吊り橋は元々工事用だったのですが、 最近つけ替えられて宣伝され訪れる人が多くなったのです。ゴンドラも工事用で8人乗りと小さく 往路は1時間、復路は2時間待ちでした。   

 上の写真は現在の氷河の姿ですが、吊り橋のたもとに掲げられた過去の氷河の写真では、上の写真の下縁より下に まで氷河があります。氷河が大きく後退してることが分かります。
 左の写真の中央部が見にくいのですがロープウェーの駅です。見える道を下って氷河から流れる川を渡り左岸の山腹の道を 延々と歩いて吊り橋に着きます。橋を渡ったところでピクニック、帰りは山道を登ってWindegg小屋経由で元の道に 戻り帰りました。帰りのロープウェーを待つ間に、救難ヘリコプターが飛来し、我々が通った道で救助活動をしているのが 見られました。
 ゴンドラを降りてタクシー、登山鉄道でウエンゲンに移動します。 ウエンゲンはスイスでよくあるように一般自動車の入れない町です。

8月24日(月)
 メンリッヒェンからクライネシャデックの軽いハイキングです。
 ロープウェーでメンリッヒェンに上がり、降りて 展望台の丘まで歩きます。晴天のもと、四方の展望を楽しんだ後、丘を降りて平坦な道を行きます。 途中で アイガー、メンヒ、ユングフラウ3山の前で休憩。望遠鏡で見るとアイガーの稜線を登る3人の姿を見ました。  クライネシャデックまで歩き列車に飛び乗りアイガーグレッシャーで降りてレストランのテラスで ゆっくりビールと昼食。明日から行くミューレンの村を望遠します。眼下には氷河の作ったモレーンの上を 乳母車を押して歩いている人を見てびっくり。我々もモレーンの道を歩いて途中から右に折れてクライネシャデックに、 戻り電車ウエンゲンに戻りました。クライネシャデックはユングフラウヨッホに向かう鉄道の起点です。 ここで1輌の電車の側面に日の丸と漢字で書かれた「大津」の文字にびっくりしました。 登山鉄道として関連があるかと思い叡山鉄道に照会しましたら、丁寧に調べられ、大津市がインターラーケン と姉妹都市であると教えて頂きました。
 写真上はハイキング道の一部、下中は昼食を摂ったホテルから見たユングフラウにつながる山、右は水飲み場 の牛です。牛は日に100kgの水を飲むといい、所々に牛のための水槽があって水はポンプアップしています。       >

 同行Oさん撮影

8月25日(火)
 標高差1000mを登りゼッフネンフルグ峠に、1200mを下ってグリーアルプへの高低差のあるハイキングです。 ウエンゲンから鉄道、バス、ロープウェーで高原の町ミューレンに着きます。ここから起伏の少ない丘陵地帯を抜け 山脈の尖端を横切るようにしてジグザグの急坂を登り、再び起伏の少ない山腹の道を行きます。 昼食休憩を挟んで約5時間弱で峠への登り口にさしかかります。ここから50分、急坂の上りです。      
 標高1634mのミューレンの町Rotstock小屋への道、先頭は犬3頭を連れた女性ハイカーで スイス中央山脈の12の峠を越えるという峠の登り道から後ろを見ればSchilthornの山々
稜線の鋭いくぼみが峠、途中から右の山塊の裾を廻って登る   狭い尾根の峠峠から下りも急で長い階段
 Oさん撮影
緩い下りになってからトリカブトが多く見られる、これは珍しく白い花で2株見つけた
 峠からの下りも急ですが長い階段が続きます。階段の先も急坂の道です。約40分程下ると緩やかな降り道が延々と 続きます。途中で小屋があり飲み物を頼んで休憩。空模様が怪しくなりましたのでここからは急ぎ下ります。 道が舗装道路になってから雨が降り出し、山を下り切るころは雷鳴で一旦材木小屋に雨宿り。雷鳴が遠くなったので 雨の中を進みますが増水した沢水が橋を越えて流れているので行き返して迂回路を取りますがこちらも溢水した谷川を渡る のに苦労、雨中の1時間で無事グリーアルプの山岳ホテルツェントラムに着きました。
 このホテルの夕食は美味しかった。やっとまともな塩加減です。

8月26日(水)
 ホッホ峠からエッシネン湖を目指します。今日も1,400mの登り、1,200mの下りです。
 ホテルを出て昨日の道を引き返します。昨日奔流となっていた沢も今日は減水して静かな小さな沢に変身です。 緩やかな傾斜の道を歩くこと2時間余、放牧地境界の電線を越えるとここから急坂の登りです。
放牧地の境の電線を越えると急坂となる 道脇の傾斜地で休憩、大勢のハイカーが休んでいる、ここから峠まで500mの標高差、Oさん撮影  峠直下の急登はジグザグの階段
 急坂を登ること1時間、やや傾斜の緩やかな場所につきました。ここは大勢のハイカーが休んで おり、私たちも休憩。それからも急坂が続きます。  最後は岩壁寄りのジグザグの階段で連続する部分のみを 数えたら143段。更に頑丈な階段が続きます。ホテルを出て5時間でやっとホッホ峠に着きました。ここで昼食。

 峠の尾根はゴツゴツした岩場ですが前日のゼッフネンフルグより幅がありゆっくり休めました。
     
左2枚、Oさん撮影
 峠からの下りは砂利混じり礫の急坂で片側は急傾斜で落ち込んでいます。足をすべらしたら大変・・・ と思っていましたが、後で同行者が同じことを思っていました。  急坂から起伏のある傾斜地になって時期はずれ(?)のエーデルワイスを見つけました。
 道の左側は谷で、その上の山稜は氷河が散在し、川に落ち込んでいる懸垂氷河も見られました。 突然大きな音がしましたが氷河の小さい崩壊でしょう。
傾斜地の先は断崖になっており下にエッシネン湖が見えます。
 湖には下中写真のように絶壁に近い傾斜地をロープを伝ってジグザグに降ります。降りた所は 放牧地で牧童小屋もあります。標高が1600mの山に挟まれた場所ですから牧畜も楽とは思えませんが。
     

 湖を半周するとエッシネン小屋です。右の写真は翌朝の撮影です。湖の奥は絶壁です。

8月27日(木)
 エッシネン湖からゲンミ峠を越えてロイカバードの行程です。
 エッシネン湖への出入りはロープウェーだけです。ホテルを出て朝の気持ちのよい放牧地を歩いて ロープウェー乗り場に行きます。下左写真の車体にはエッシネン湖「OESCHINEN SEE」と書かれています。 ゴンドラを降りるとkanderstegm村へ、山に囲まれた長閑な村です。鉄道の駅まで歩きますが小学生の群れと行き交います。 駅前からバスに乗ってまたロープウェー乗り場へ、今度のゴンゴラにはゲンミ「GEMMI」と書かれています。


 ゴンドラを降りればションブールの展望台です。ここから氷河が作った広くて長いU字形谷の高原を歩きます。 標高は2,000m前後、放牧地と小さな林が続きます。道は谷間の両側にあり、左写真の左下と右のやや高い位置の 道が見るでしょう。
 谷は緑ですが両側は岩陵です。この道を進むと小さなDaubensee湖につきます。今朝発ったエッシネン湖は 水がきれいでしたが、こちらは流れ込む泥で汚れています。湖畔を半周し坂を上り行くとゲンミ山登山口の前を 通ってゲンミ峠のロープウェー乗り場に着きます。
 私たちはロープウェーでロイカバードの町に下りましたが峠から町まで道がついています。絶壁に近い急傾斜の 山肌を削ったような道がくねくねと続いています。昔からの街道でロバをひいて往来したようです。ゴンドラから 見ると、登るのは可能ですが、降りるのは勘弁してほしいような道です。写真を撮る隙がなく写真なしです。
ヤナギランの咲く長閑な道 ダウベン湖(Daubensee) ゲンミ山の登山路

8月28日(水)
 ロイカバードは古くから知られた温泉のある町です。今日は近郊のハイキングです。
 町を下ってロープウェー乗り場からRinderhutte(2350m)で降り、別のロープウェーで中間駅に降り、 樹林帯の山腹の道を歩く。途中で灌木の下に群れている山羊と遊んだりして谷の奥へ。 Flueaplの礼拝堂横の村が作ったベンチでピクニック。昼食後山腹の道をロイカバードへ。
朝、ホテルを出ると目の前に雲がかかった岩山   標高2,000mの山腹の道 牛糞を泥しょうにして牧草地に散布している

温泉の露天部分、Oさん撮影 長閑な歩み、Oさん撮影 お世話になったテルテル坊主

 この日もロイカバードに泊まって翌朝車でチューリッヒに行き、午後の便で無事帰国しました。
 今回のハイキングで印象深いのは
@山を自転車で駈ける人が多いこと、何しろ自転車専用のリフト架台がある。
A犬連れのハイカーが散見されるが、その犬が実に温和しい。
B標高の高い傾斜地の牧畜は、牛にも人間にも楽ではなさそう。
終わり